ある女性がストーカーからの無言電話に悩まされていた。
「もしもし?」
「‥‥‥」
「もしもし、どなたですか?」
「‥‥‥」
こんな無言電話が毎日のようにかかってくるのだ。
そして我慢の限界にきた彼女は、その日いつものようにかかってきた無言電話に、「いい加減にしなさいよ!このストーカー!いや、ただの変態ね!」と怒鳴ってしまった。すると、今まで無言だった受話器から「殺してやる…」との言葉が返ってきて電話は突然切れた。
彼女はその反応に恐ろしくなり、警察に相談することにした。ストーカー対策に力を入れていた警察は、彼女の相談に応じてくれた。そして、次に無言電話がかかってきた時は、逆探知機を使ってストーカーの居場所を確かめるので、なるべくストーカーとの電話を切らないようにと言われた。
そして、その夜も電話がかかってきた。しかし、今日はいつもと様子が違うのだ。
「もしもし?」
「ククククク‥‥」
「もしもし?」
「ククククク‥‥ククククク‥‥」
なんと、ストーカーの男が電話口で不気味に笑っているのだ。恐ろしくなった彼女は電話を切ろうと考えたが、警察が逆探知してくれていることを思い出し、我慢して男の笑い声を聞いていた。その時、彼女の携帯電話が鳴った。警察からだ。
「逆探知の結果が出ました!すぐに家から出てきて下さい!犯人はあなたの家の中にいます!」
彼女は急いで電話を切った。しかし、男の不気味な笑い声が消えることはなかった。
都市伝説の解説
当初はベビーシッターが登場する都市伝説だった
この「逆探知」という「都市伝説」は、1970年代に流行したものです。当初はアメリカを舞台にした、猟奇殺人鬼とベビーシッターが登場する話でしたが、日本で社会問題となっていたストーカー問題が織り交ぜられるようになり、次第にストーカーと被害者女性が登場する内容に変化していったようです。