怖い都市伝説

口裂け女

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口裂け女
ある小学生が下校している帰り道、向かい側から不審な女が歩いてきた。もう夏だというのに真っ赤なロングコートを着ており、口には大きなマスクをしている。そして、すれ違い際に小学生に声をかけてきた。

「ねぇ、わたしキレイ?」

女はマスクをしているものの、年齢は若くそこそこの美人であったため、小学生は

「うん、おねえさん、キレイだよ」と答えた。

すると、女はマスクを剥ぎながら

「これでもかぁ!」と叫び声を上げた。

なんと、マスクで隠されていた女の口は耳元まで大きく裂けているではないか。女はコートの中から鎌を取り出すと小学生に襲いかかってきた。

小学生は恐怖のあまり逃げ出したが、女が追いかけてくるスピードは凄まじく、すぐに追いつかれてしまった。そして、口に鎌を入れられると耳元まで引き裂かれてしまったという。

整形手術が失敗し口が裂けた

この女は「口裂け女」と呼ばれる通り魔で、過去に整形手術を受けて失敗し、口が裂けてしまったのだ。そして、やり場のない怒りを発散するために下校途中の小学生を次々に襲っているのだという。赤いコートを着ている理由は返り血を浴びても目立たないようにしているためで、そのコートの下には大きな鎌を隠し持っているのだ。

口裂け女の撃退方法

「口裂け女」に遭遇してしまった場合に備え、その撃退方法を覚えておくといいだろう。一般的に「口裂け女」は「ポマード」が嫌いだと言われている。「ポマード ポマード ポマード」と3回続けて連呼すれば怯むため、その隙に逃げることができるというのだ。これは、整形手術を受けた時の執刀医が多量の「ポマード」を付けていて、その臭いが嫌いだったためだ。また、「ポマード」を投げ付けたり振り掛けたりしても退散させることができるほか、手に「ポマード」と書いて見せることも効果的であるという。

都市伝説の解説

社会問題を引き起こした定番の都市伝説

この「口裂け女」の都市伝説は1979年の春から夏にかけて日本で広く流布し、全国の小中学生に強烈な恐怖を与えました。当時はパトカーの出動騒ぎや集団下校が行われるなど、社会問題にまで発展しました。

模倣犯まで出現

同年6月21日には、姫路市に住む25歳の女がいたずらで「口裂け女」の格好をし、包丁を持ってうろつき、銃刀法違反容疑で逮捕されるという事件も発生しました。幸いにも下校中の小学生に危害が加えられることはなかったようです。

夏休みに入って終息

同年8月になると、それまで全国を席巻していたこの噂は急速に沈静化していきました。これは全国の子どもたちが夏休みに入り、学校という情報交換の場での口コミが途絶えたためと考えられます。当時の子どもたちの強い恐怖心が「口裂け女」の噂の流布を助長していたことが見受けられますね。当時はSNSなどのインターネットが登場していなかったために終息しましたが、これが現代のネット社会下でしたら終息することなく、更なる拡散をしていたと想定されます。

1990年代に再びブームに

1990年代に入ると、整形手術や医療ミスなどの話題がメディアで取り上げられることが多くなり、整形手術に失敗し理性を失った女性が「口裂け女」の正体であると語られるようになりました。これにより、「口裂け女」の噂は再びブームを迎えたのです。

口裂け女の発祥は岐阜県だった

1978年12月初めに岐阜県で噂が起こり、マスコミに初めて登場したのは1979年1月26日の「岐阜日日新聞」とされています。

塾通いを諦めさせるために生まれた噂

岐阜県では発祥当時、小学生でも比較的裕福な家庭の子供のみが学習塾へ通っていることが多く、あまり財力のない家庭が子供に塾通いを諦めさせるために「口裂け女」の噂が用いられたようです。親が子どもへ「夜道を歩いていると口裂け女に襲われる」と夜の外出を怖がらせた結果、子どもたちの恐怖心を必要以上に煽り、後に日本全体を巻き込む都市伝説へと拡大していきました。

口裂け女を町おこしに利用

2012年7月には、岐阜県岐阜市にある柳ヶ瀬商店街の空き店舗を利用し、「口裂け女」が登場する期間限定のお化け屋敷がオープンしました。来場者は昭和時代の柳ケ瀬商店街を舞台に、「口裂け女」に連れ去られた少年を追い掛ける設定で屋敷内を巡るそうです。岐阜県発祥である「口裂け女」を利用したこの「町おこし」は大きな注目を集めました。

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