社会生活に潜む都市伝説

ドジョウの地獄鍋

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ドジョウの地獄鍋
みなさんは「ドジョウの地獄鍋」をご存知だろうか?「ドジョウ豆腐」とも呼ばれ、その名の通り「ドジョウ」と「豆腐」を用いた伝統的な鍋料理である。

ドジョウの地獄鍋の作り方

鍋に冷水を張り、そこに生きたままのドジョウ数匹と大きめの豆腐を一緒に入れる。そのまま蓋をして弱火でしばらくグツグツ煮て蓋を開けてみると、煮え立った豆腐があるだけで不思議なことにドジョウの姿は見当たらない。なんと、火にかけている最中に熱さから逃れようとしたドジョウが冷たい豆腐の中に次々と頭から潜り込み、豆腐とともにグツグツと煮えているのだという。まさにドジョウにとっては地獄のような鍋料理である。

ドジョウの地獄鍋の由来

「ドジョウの地獄鍋」は一見すると湯豆腐を食べているようにしか見えないため、肉食を禁じられていた中国の僧侶が周りの目を盗んで食していたことから広まったと言われている。

都市伝説の解説

伝説上の幻の料理

この「ドジョウの地獄鍋」は聞いたことがある人も多いと思いますが、実は作ることができない幻の料理だとされています。というのも、実際にレシピ通りに作ってみても、ドジョウが豆腐に入り込むことなく息絶えて煮えてしまうからです。鍋の蓋を開けてみても、そこにあるのは豆腐の周囲に茹で上がったドジョウが横たわっているだけという残念な結果に終わります。過去にもテレビ番組などで「ドジョウの地獄鍋」が取り上げられ、ドジョウを投入するタイミングや調理の仕方を色々と工夫して試したようですが、いずれも失敗に終わっています。ただ、事前にストローなどで豆腐に複数の穴を開けておくと、まれにドジョウがその中に入り込むことがあるようです。

提供している店もあるが・・

韓国のソウル郊外にある豆腐料理専門店では「ドジョウの地獄鍋」が実際に提供されているようです。しかし、豆乳を型に流し込んで豆腐を作る際に茹でたドジョウを予め加えて調理しているようですので、やはり「ドジョウの地獄鍋」は幻の料理と言えるでしょう。

大分県の昔話に登場する

「ドジョウの地獄鍋」によく似た話が大分県の昔話にあったので紹介します。

昔々、大分県大野郡野津町に吉四六(きっちょむ)さんというとんちが得意な人物がいました。ある日、吉四六さんは長屋の皆がドジョウ鍋をするという話を聞きつけ、何とかして自分だけお腹一杯食べられないものかと考えます。しばらく考えた末、吉四六さんはお豆腐を買ってきました。そして、何食わぬ顔をしてドジョウ鍋をしている若者に近づき、「湯豆腐にしようと思っていたが、ドジョウの出汁で煮て貰えれば有難い。お願いできんかね?」と話を持ちかけます。「ああ、煮るぐらい、勝手にすればいい」そう言われた吉四六さんはドジョウが泳いでいる鍋に豆腐を放り込みます。すると、熱さに耐えかねたドジョウが一斉に豆腐に潜り込んでいきます。吉四六さんはドジョウが一匹残らず豆腐に潜り込んだのを見届けると、「おおっ、そうじゃ!急ぎの用を思い出したので、これで失礼する」と言って、豆腐を引き上げると急いで家に帰っていきました。

ひょっとしたら、この吉四六さんの昔話が「ドジョウの地獄鍋」の都市伝説を誕生させたのかもしれませんね。

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