とある医科大学で行われた医学部の授業の時、ある教授が検尿用の紙コップを示して、「医者であるからには鋭い観察力が必要です。ここに人間の尿を用意しましたが、この尿の持ち主が糖尿病であるのかを確かめるのならば、私はこうします」と言い、紙コップの尿に人指し指を浸すとペロリと舐めてみせた。そして「どうです、皆さんにも同じことができますかな?」と満足げな顔をして教室中の学生たちを見渡した。
すると、一人の負けず嫌いな学生が前に進み出て、同じように紙コップの尿に人指し指をつけると、得意げにみんなの前でその指を舐めてみせた。ところが、教授はさらに満足げな顔をしてこう言った。
「やはり、皆さんにはまだ医者としての観察力が不十分なようです。私は人差し指を尿につけましたが、舐めたのは中指でしたよ。尿みたいに汚いものを舐めるなんて私には考えられません」
都市伝説の解説
農業大学が舞台の「牛の尿」バージョンもある
この話の舞台は、主に医科大学や医学部が中心ですが、北海道の農業大学を舞台にした「牛の尿」バージョンも存在します。
コナン・ドイルの恩師が元ネタ
シャーロック・ホームズの生みの親である「コナン・ドイル」の恩師、「ジョセフ・ベル」教授のエピソード中にも類似した話が登場していることから、この話はそれが元になっていると考えられます。もっとも、「ベル教授」の話の中では「ひどい味の試薬」となっていますが…