ある団地で、そこのアパートに住む少女が一人で遊びに出掛けたまま、行方不明になるという事件が起こった。少女の両親と警察は、少女が遊んでいたと思われる場所を懸命に探したが、結局その少女は発見されなかった。
それから3ヵ月が経った頃、同じ団地のアパートに住む住民から、水道水から異臭がするとの苦情が寄せられた。初めのうちは様子を見ていた管理人も、日に日に多くなる苦情に疑問を抱き、屋上の貯水タンクを調べてみることにした。
管理人が貯水タンクの蓋を開けると、凄まじい腐敗臭が鼻をつき、中からは水に浮かんでいる子供の腐乱死体が見つかった。解剖の結果、それはまさしく、3ヵ月前に行方が分からなくなった少女のものであった。どうやら少女が屋上で遊んでいた際、点検中で蓋が開いていた貯水タンクを覗き込み、誤って転落してしまったらしい。そしてそのまま3ヵ月間放置されていたのだ。
少女の死体が浮いていた水を、このアパートの住民達は3ヵ月もの間使用していたのである。
アパートの住民達が誰も知らずに、腐敗死体の浮いていた不衛生な水を使用していたというところが、この都市伝説の最も恐ろしい部分です。日本ではこのような事故が起こったという記録はありませんが、タイのバンコクでは今年の7月に、女性が同じアパートに住む男に殺害され、アパートの貯水タンク内に遺棄されるという事件が起こりました。この事件は水道水からの異臭が原因で発覚したようですが、犯人の男はすでに逃亡していたみたいです。また、この事件により、アパートの住民の大半が部屋を引き払って出て行ってしまったようです。そりゃ、当然でしょうね…
ちなみに、この都市伝説は2002年に「仄暗い水の底から」というタイトルで、中田秀夫監督によって映画化されています。