74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2008/07/06(日) 20:17:25.40 ID:Vq3z2+bY0
夏休み。友人のAは、町内の子供会の役員をやっていた。
夏のイベントは、海水浴+バーベキュー。小2の長男を連れて参加した。
彼はバーベキュー係。楽しい昼飯も無事に終わり、彼の役目も終了。ビールを片手に寝転がっていた。
横では、丁度スイカ割が始まって、自分の子供もそれに参加している所。
ウトウトしていた彼の耳に、子供の声援が聞こえてくる。「もっと右!」「違う違う!」
大半の子供が失敗する中、最初の子供が成功した。「やった!」「ギャー!」
目をつぶっている彼の耳に、にぎやかな声。しばらくすると、二個目。「いいぞ!」「ギャー!」
元気である。そして三個目。「そこだ!」「ギャー!」・・・・え、ギャー?
・・・それは声援というより、女性の悲鳴に近い声。それも子供の声には思えない。
彼は気になって目を開けた。そこには楽しそうにしている子供がいるだけ。悲鳴を上げそうな女性の姿は見えない。
不審に思っている所に、最後の四個目のスイカに目がいった。丁度狙いを定めた子供が割る所。
地面に置かれているスイカ。・・・・いや、スイカじゃない!少なくとも彼には、女性の生首に見えた。
子供の棒が振り下ろされる。それは確実に生首にヒットした。・・ぐしゃ!・・「ギャー!」
スイカが、いや首が、顔を歪ませ、悲鳴を発した。つぶれ、二つに割れ、中から赤い液体がほとばしる。
彼は立ち上がり子供達の方へ。『なんて事をするんだ!』そう叫ぼうと、もう一度スイカを見ると、
それはどこも不審な所のない、ただのスイカになっていた。
彼は疲れているのだと、自分に納得させて、ふたたび横になった。そして、子供会も無事に終わった。
そして、それから数日が過ぎた。彼は、あの日の事が気になって、ちょっと調べてみた。
すると、数年前、その海岸で女性が撲殺されていた事がわかった。
致命傷は、頭蓋骨陥没だったらしい。